女子体操問題から見えた評価制度・・・・【喜働のココロ No.131】

少し影をひそめた感のある「女子体操のパワハラ問題」ですが、かなり過去に遡り、この問題の根深いところまで掘り下げられているようです。


それは「選手ファースト」でなくてはいけないスポーツの世界で、こともあろうか協会内の権力争いがあったというニュースまで出てきました。
第三者委員会の調査報告書が出るまでは、何とも言いようがないですが、一連の問題の中で、1991年11月の大会で、選手の過半数がボイコットしたという事件に焦点を当ててみました。

この大会は全日本体操個人選手権で山形にて行われたものです。
参加した女子選手91人中55人が、競技中にもかかわらず開催会場を後にして、大会をボイコットしたのです。
この大会の女子競技委員長は塚原光男氏で、審判のトップ・主任審判を塚原千恵子氏が勤めており、また当時もこの塚原夫妻が朝日生命体操クラブを運営していたということです。

この大会で起こったこと、それは朝日生命体操クラブ所属の選手に対しては点数が高めに出て、そうでない選手は低い点数であったと言うことです。
つまり採点が公平に行われていないという疑義が生じたのでした。

ご存知の通り、体操競技は「技の難易度」「美しさ」「雄大さ」「安定性」などを採点した合計点数によって順位を競う競技です。
当然に採点方法についても、こと細かく定義づけされてはいるのですが、採点者は人間です。まして「美しさ」や「雄大さ」の基準は、曖昧さがあり、採点が難しい項目です。
したがって多少のブレも生じます。

公然でタイムを競う競技や、レスリングやサッカーなど勝ち負けのはっきりわかる競技であれば、そこには一定の公正さが存在し納得感がありますが、採点競技の場合は採点する「人」によってバラつきが生じます。
その採点結果が、選手や関係者の納得感が得られないこともあると思います。

しかしながら、このボイコット事件は過半数以上の選手が納得しない採点結果であった訳です。

ボイコットした一人のコーチの言葉が印象的です。
「ホントに、毎日練習してきて、それを”正当に評価されない”という、そのことの方が、選手が可愛そうではないか!」

「選手ファースト」であるのなら、採点結果にほとんどの選手が納得感を得られるようにしなければいけないと思います。

会社で言えば、「社員ファーストで考えている会社なのか」、「一生懸命頑張っている社員を公正公平に評価しているのか」ここが重要です。

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